材料の生分解性・環境調和性を基軸としたデバイス・材料合成を行い、グリーントランスフォーメーション(GX)の実現と持続可能な社会の実現を目的とした研究を私達は行っています。半導体分野のムーアの法則に代表されるように、20世紀においてデバイスの「性能向上」を人類は追求してきました。一方、21世紀では地球環境の保全や温室効果ガスの削減のような「持続可能性」を追求し、災害や飢餓に苦しむ必要がない安心安全な社会を構築する必要があります。上記課題を実現するうえで最も重要な技術は、電気エネルギーの有効活用です。米国エネルギー省DOEは核融合技術を積極的に開発しており、2022年12月13日に投入したエネルギー以上のエネルギーを回収したと報告しています。このような潮流において、電気エネルギーの蓄電、マネジメント、センシング技術は重要な研究項目と考えられます。世界中の誰もが核融合による潤沢な電気エネルギーを利用するためには、高性能で安価かつ安全な蓄電素子の普及が必要であり、その延長線上にはグリーントランスフォーメーション(GX)の実現と持続可能な社会の構築が期待できます。本研究室では、MEMS、ナノマテリアル、環境調和プロセスを主要技術として、革新的センシング技術の開発や蓄電技術の確立とその応用に関する研究に取り組み、エネルギー、環境、エレクトロニクスの融合を目指します。