• ここは山田駿介の個人ページです。エネルギーデバイスをメインにデバイスを作製しています

    環境発電

    様々なモノに無線センサ端末を搭載して,そこから得られる情報を用いて,より豊かな社会を目指すInternet of Things (IoT)が注目を集めている。しかしながら無線センサ端末の数は,10兆個ともいわれメンテンスが不可能であり,電池交換ができない課題が存在する。次世代型無線センサ端末の電源として期待されているのが,環境発電である。環境発電は,従来捨てられていた振動,光,熱,RFエネルギーを回収する取り組みであり,高出力な振動発電素子,太陽電池,熱電素子,レクテナが開発されている。本研究では,これら発電素子が回収したエネルギーでエレクトロニクスを駆動するゼロ・エネルギーデバイス作製と評価を行っている。

    IoTモジュール

    東京大学 年吉研究室が作製したエレクトレット型振動発電素子を電源とした無線センサ端末を作製した。振動は環境中に潤沢に存在しており,暗所でも発電できるため,エネルギー源として有望である。従来の圧電体,電磁誘導が発電不可能だった振動領域(加速度<1G,周波数 200 Hz)において,発電するエレクトレット振動発電素子を作製することで,無線センサ端末を駆動した。無線センサ端末の1駆動あたりの消費エネルギーは1.2 mJであり,振動発電素子を電源とした場合,60秒に1回の頻度で無線通信を行うことに成功した。

    S. Yamada, et al., Small, vol. 14, no. 32, p. 1800937, Jun. 2018.

    電池レスセンサ

    発電素子の出力は年々増大しており,振動発電素子は出力100 µW/cm2を示す。一方,LSIの消費電力は減少しており,タイマIC程度であれば消費電力60 nWで駆動できる。このトレンドを踏まえると2020年代には,発電素子出力がLSIの消費電力を上回り,発電素子によるLSIの駆動が実現可能である。本研究では,ICを発電素子で駆動することで,上記アイデアの有効性・妥当性を確認した。リングオシレータの発振周波数が電源電圧に依存することを利用して,発電素子をセンサかつ電源とした電池レスセンサを提案した。本素子は発電素子の出力に応じて,パルス密度変調でアナログ-デジタル変換を行うことができる。

    S. Yamada, et al., IEEE Electron Device Lett., 2017