Nanoscale materials exhibit specific properties such as very large surface area and high-aspect structures. In this study, we focus on the synthesis of nanoporous structures of metals and nanowires of metal oxides. We aim to establish novel nanomaterial synthesis methods and their application to electrochemical devices.
金属のナノポーラス構造は、表面積が非常に大きい・ハイアスペクト構造など特異的な性質を示す。従来の研究は、ナノポーラス構造作製に強酸・強アルカリや高温、高真空が必要であり、環境負荷が大きいプロセスである。そこで、本研究では環境中に潤沢に存在するMgを水で溶解することで、上記課題を解決した。Mgは標準電極電位が−2.36 Vと非常に小さく水と反応する。さらに、ナノポーラス化する金属と電池を構成することで、反応が高速になる点も、注目すべき点である。
合金CuMgからMgを溶解することでナノポーラス構造を作製した。(W)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)に注目しており、耐酸性・耐アルカリ性の観点から、それらと錫合金(Sn)・マグネシウム合金(Mg)を候補に考えている。Dealloyにより作製したナノポーラス構造の穴の大きさ・構造の大きさは、Dealloy前の合金の組成が大きな影響を与えることが判明している。Sn・Mg合金の最適な組成を決定して、ナノ構造を制御し、表面積10 m2/gを実現する。ナノポーラス構造の構造解析には、各種X線分光法を用いて、評価した。具体的には、X線回折法、X線電子分光法を用いて、結晶構造解析や化学結合の状態を評価した。
スーパーキャパシタの作製には、作製したナノポーラス構造と、申請者が研究してきた生分解性イオンゲルを組み合わせ、スーパーキャパシタを実現した。スーパーキャパシタの特性評価には、ポテンショスタットガルバノスタットを用いて、電気化学的安定性、エネルギー容量、出力電力、充放電耐性を評価した。作製したスーパーキャパシタの生分解性を評価するため、リン酸緩衝液に浸し、その分解過程を、X線分光法や質量を用いて調査した。
*JKAの助成を受けて研究を遂行しました。下記バナー参照